だいぶ間が空いてしまいましたが、ネクタイのノットについての第2回目です。
前回は結び方の違いでノットの形にどのような違いが出るかをお伝えしました。

第2回目の今回は、「ノットの高さ」にフォーカスしたいと思います。

ネクタイのノットは立体ですので、その形を構成する要素は「高さ」と「幅」と「奥行き」になります。
そのうち、結び方の違いで調整できるのは「幅」と「奥行き」です。
プレーンノットのようなシンプルな巻き方であれば「幅」は細く、「奥行き」も狭くなりますし、ウインザーノットのような複雑な巻き方だと「幅」は太く、「奥行き」も広くなります。

では、残りの「高さ」が異なると印象にどのような違いが出るのでしょうか。
2つの写真を比べてみましょう。


ノットの高さ4.2cm


ノットの高さ5.5cm

いかがでしょうか。
どちらも同じプレーンノットで結んでいますが、ノットの高さによって印象が変わって見えると思います。
ノットの高さが低いとスマートなノットになり、高いと存在感のあるノットになります。
写真だとちょっとわかりづらいかもしれませんが、実物を見ると、1cmちょっとの違いでもかなり明確に印象が変わります。

では、ノットの高さはどうやって決まっているのでしょうか。
実はノットの高さは、大剣先からノットに入り込む部分までの長さ+約12cm部分のネクタイ幅と決まっています。
なぜかは下の写真をご覧ください。


写真のネクタイは、ノットの高さは4.7cm、大剣先からノットに入り込む部分までの長さが43.5cmとなっています。


これをほどくと、大剣先からノットの高さを測った部分までの長さは55.5cmとなります。
つまり、大剣に入り込む部分からノットの高さを測った部分までの長さは、55.5cm-43.5cm=12cmです。

ネクタイの生地は、大剣からノットの中を通り1回だけ裏に回ってからノットの表に出てきます。
そのため、生地や芯地の厚さにより多少の長短はありますが、ノットの中に入り込む部分から表面に回るまでの長さは約12cmであまり変わりないという訳です。

ただし問題は、売られているネクタイによってシルエットが異なっていることです。
具体的には、大剣先からノット部分にかけて、幅を大きく絞っているものもあれば、あまり絞らないものもあります。
ノット部分の幅が狭ければノットの高さは低くなりますし、広ければノットの高さは高くなります。

ネクタイの多くは既製品ですので、買ってからの調整はできません。
ノットの「高さ」はVゾーンの印象を決める大事な要素なだけに、お客様にとっては買って結んでみるまでわからない現状になってしまっているのが、作り手としてはもどかしいところです。

もしノットの「高さ」までこだわりたいという方は、数は少ないですがオーダーメイドネクタイを取り扱っているテーラー様もありますので、ご利用なさってはいかがでしょうか。

以上、ノットの「高さ」というちょっとマニアックな話題でしたが、いかがでしたでしょうか。
「ネクタイの結び方」「ノットの高さ」の次は、ノットを美しく魅せる「ディンプル」についてお話ししたいと思います。