ネクタイのノットについて、第3回目は「ディンプル」についてです。

皆さんはネクタイを結ぶときディンプルを作る派でしょうか、作らない派でしょうか。
ディンプルについては賛否両論ありますが、やはりディンプルを作った方がネクタイは魅力的に見えますので、日ごろから作ってもらいたいなと思います。
ただ、ディンプルを作る派の方でも、なかなかうまく作れず困っている方が多いのではないでしょうか。
実はディンプルを作るには、ネクタイそのものがディンプルに適しているか否かも重要になってきます。

ディンプルをうまく作るための条件は以下の2つです。

①ディンプル部分のネクタイ幅
まず1つめに大事なのが、ディンプル部分のネクタイ幅です。
ディンプルはネクタイを折り曲げて作るため、ある程度の幅(6cmくらい)が必要です。

まず、ディンプル幅6cmで結んだ場合を見てみましょう。

 
きれいにディンプルが作れていますね。深く折り目が入っています。


側面から見ても十分外側まで生地が残っており、簡単には解けなさそうです。

次に、ディンプル幅4.5cmで結んでみましょう。

 
正面からはきれいにディンプルが作れているように見えますが。


側面からみると外側まで生地が回っておらず、少し動くと解けてしまいそうなのがわかると思います。

また、ネクタイと身長の相性によってもディンプルを作る難易度が変わります。
一般的に身長が高い人ほどディンプル部分がより高い位置になるので、幅が狭くなりディンプルを作るのが難しくなります。

②芯地
次に大事なのが、芯地の材質です。
ネクタイの芯は主にポリエステルかウールで作られています。
ポリエステルは、コストは低いのですが、復元性が低く、しなやかさに欠けるのが欠点です。
ウールは逆に、コストは高いですが、復元性が高く、しなやかさがあるのが特徴です。


ウール芯をつまんでみたところです。もこっとした手触りで、手を放すとほとんどシワが残りません。
※写真はウール100%のダブルクロス(2枚重ね)芯


ポリエステル芯をつまんで折り目をつけてみました。手を放してもほとんど復元しません。
※全てのポリエステル芯がここまで復元しないわけではありません

ディンプルは生地が滑らかに曲線を描き、ノットから大剣にかけて美しく魅せることが大事だと思っています。
ポリエステル芯は、折り目はしっかり付くのですが、滑らかな曲線を描くという点では、ウール芯の方が優れていると感じます。

いかがだったでしょうか。
ディンプルの仕組みについて、作り手がどのように考えているか少しでもご理解いただければありがたいです。
もしご興味がありましたら、弊社ではネクタイの仕立て直しや芯の交換も承っています。

「ネクタイの結び方」「ノットの高さ」「ディンプル」と3回にわたって続けてきました、ノットについてシリーズは一旦終了となります。
皆様のネクタイライフの参考になれば幸いです。
またこれからもネクタイの作り手ならではの情報を発信していきたいと思います。「これどうなの」という質問等がありましたら、どうぞ遠慮なくご連絡ください。