7月に入り暑くなってきましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

さて、今回は最近質問を受けることの多い、セッテピエゲとディエチピエゲの違いについて解説したいと思います。

【セッテピエゲ:6回折り・芯あり】

まず、セッテピエゲ(Sette Pieghe)とは、イタリア語で「Sette」が「7」、「Pieghe」が「折り」を意味しており、直訳すると「7回折り」ということになります。

ただ、セッテピエゲと呼ばれるものが非常に増えてきており、色々な仕様のネクタイにセッテピエゲという名前が付いているのが現状です。
その中でも現在一番多く流通しているセッテピエゲと呼ばれるものは、芯有り、裏地有りの6回折りのネクタイです。
(6回折りでも芯なし、裏地なし仕様のものも流通はしています)

6回折りネクタイは、表地が通常のネクタイよりも多く使用されていて、更に、芯も裏地もあることから、耐久性に優れ、ネクタイ自体も厚くなります。
大剣先も少し重たくなり、通常のネクタイに比べ存在感が出ますので、勝負ネクタイとしてお持ちいただくのも良いと思います。

裏地を付ける場合一般的には表生地と同じ生地を使用するため、通常のネクタイの倍近い生地を必要とします。

 
左が6回折りのネクタイを開いた写真、右がそれを分解した写真です。

【ディエチピエゲ:10回折り・芯なし】

一方で、伝統的なセッテピエゲといわれるのが芯も裏地も使わない10回折りのネクタイです。

ネクタイの起源には諸説ありますが、一説にはクロアチアの兵士が首に巻いていたスカーフがフランスのルイ14世の目に止まったことで、首に布を巻くスタイルが正装としてヨーロッパに広がっていったといわれています。
そのため、芯地を使わず1枚の生地を折ってネクタイを形作る10回折りのネクタイは、こうした背景を色濃く残すイタリアの伝統的なネクタイの縫製方法です。

10回折りのネクタイは、ディエチピエゲ(Dieci Pieghe、Dieciはイタリア語で10を意味します)とも呼ばれており、海外でも最近こう呼ばれることが多くなってきました。

では、なぜ実際は10回折りなのに、セッテピエゲと呼ばれているのでしょうか?
文献やWebサイトで色々な議論がされていますが、良い説明がないのが現状です。
弊社でも色々な10回折りネクタイを見てみたところ、その多くが、左右合わせると10回折られていますが、左右で折られている回数が異なり、多い側は7回折られていることがわかりました。
そのため、片側7回折りからセッテピエゲと呼ばれるようになったのでは?と弊社では考えています。

10回折りのネクタイは、通常のネクタイと比べ2倍以上の生地を使い、生地を何回も折り返して作るため、型起こしや縫製に高い技術が必要とされます。
ネクタイの形に折り込めるよう型を設計できる職人は、かなり少なくなっています。
また、製法上ほとんど全ての工程を手縫いで行わなければならないため、とても手がかかるうえ、うまく生地を折り込んでいくバランス感覚と高い手縫いの技術が必要になります。

また、10回折りのネクタイは芯地を使用しないため、最初は結ぶのが難しく、うまく結ぶのに慣れが必要です。
しかし、結び方が上達すると、スカーフを巻いたような柔らかい雰囲気を醸し出し、生地のハリに応じて自然なシワが入り、結果として味のあるディンプルができることが大きな特徴です。

 
左が10回折りのネクタイを開いた写真、右がそれを分解した写真です。
(生地は違いますが、同じ製法で作られた10回折りネクタイです)

弊社では6回折りネクタイと10回折りネクタイを区別するため、6回折りネクタイをセッテピエゲ、10回折りネクタイをディエチピエゲと呼称しています。
耐久性に優れ存在感のあるセッテピエゲ、スカーフのような柔らかい雰囲気と自然なディンプルを作れるディエチピエゲ、どちらにもそれぞれ良いところがありますので、場合によって使い分けてみてください。

弊社工場にお越しいただければ製作も可能ですので、ご興味のある方はこちらからお問合せください。